
上のキャプチャ画像は、PS3からリリースする「Little Big Planet」というゲーム。画質は当然のごとく良い画質だが、このゲームの特徴はステージ・キャラクターのエディットと、作ったデータをネット上に配布し、みんなで遊べるという特徴がある。
こんな複雑な造形物を組み込むのは難しいのではないかという疑問もあるだろうが、多角形や円の画像を組み合わせて作るだけ。具体的には下の動画も見てもらいたい。
■キャラクターの作成に関して
■物体の削除や配置
ステージやキャラクターの作成など、ゲームの肝心な部分をユーザにまかせるというゲームはツクールシリーズやデザイモン等、多く存在していた。今になってこういった「ユーザが自由に作れる」部分があるゲームが増えているのはネット配信によるデータの共有が可能になったためではないだろうか。
Xbox 360の「Forza 2」というゲームでは、車に幾何学的な記号を貼り付けて自分専用の車を作成したり、それをネット上に配布することが可能となっている。
( ;^ω^)<へいわぼけ: Forza2のペイントカーに開発者も驚き
http://www.heiwaboke.com/2007/05/forza2.html
先ほども述べたが、このゲームのツールには幾何学的な模様を貼り付ける機能しかない。上記のページを見ていただければどれほど想像力をもったユーザがいるかがわかるだろう。このゲームは「クリエィティブユーザ」と「ネット配信」の二つのキーワードが良い方向に作用していると思われる。
「Forza 2」と同じでネット配信が可能となっている「Little Big Planet」も成功する!?と訊かれても答えはまだわからない。クリエイティブユーザがいるかによって大きく変わるだろう。ユーザがクリエイティブユーザに変わるにはいくつか条件があると私は思っている。例えば、ネットで有名ないわゆる「改造マリオ」は「シンプルかつ(組み合わせが)無限大」なところが人気の一つである。私は「シンプルかつ無限大」というちょっと矛盾した言葉にクリエイティブユーザを賑わせる確信的な部分だと思っている。
車を一定のテクスチャでペイントできる「Forza 2」も一見シンプルなペイントツールだが、実写のような絵やアニメキャラをクリエイトできるほどその奥は実に深い。このゲームのペイントツールに好きなjpg画像を張れる機能が搭載されていたら、ここまで賑わうことはなかっただろう。ツールがシンプルすぎたからみんな白熱したわけである。
ツールが複雑という例では、RPGツクール5のようなゲームはどうだろうか。ネット配信できはないため具体的な比較はできないが実際にそれを手にしてゲームを完成しきれる人はどれくらいいるのだろうか。プログラムで使用する変数は飛び交い、3Dグラフィックならではの難しいポリゴン設定まで行わなくてはいけない。もちろんツクールシリーズなのでゲーム作成の入門編的なわかりやすい設計にはしてあるのだろうが、特に同ゲームシリーズで唯一3D化した「RPGツクール5」は一筋縄ではいかないのが特徴だ。
こういったシンプルでないツールは長期的な制作期間を生み出し、結果的にユーザが作品を次々に発表するようなクリエイティブユーザへと変わることなく衰退していくこととなる。
では「Little Big Planet」はどうだろうか、全体的にクオリティが高くステージの作成は難しそうだが、デモを見る限り作成するためのツールは非常にシンプルである。「これならクリエイティブユーザも白熱する!?」とも考えられるのだが、私がどうも不安に思っているのはシンプルではない部分が一点あるからだ。それは物理演算に関してである。
先ほど例に出してまったく触れなかった「改造マリオ」だが、ファミコン、スーパーファミコンでのマリオは、マリオが何キャラ分ジャンプできるか簡単に調べることができた。マリオのゲームデータは2Dであり、物理演算が比較的簡単なので、パズルのようなステージを作っても、そこに穴(製作者の意図しないミス)がないか簡単にチェックできる。
しかし、3Dや高度な物理演算を用いた場合、謎解きのようなステージは、解いてほしい方法意外で脱出できるようなバグを生んでしまう可能性が多く秘められている。3Dであるためにカメラワークも常に変わるためキャラがどれだけの距離ジャンプできるのか目測で図るのはなかなか難しい。このデバッグ作業(バグを取り除く作業)に多くの時間をとられてしまうのは結果的にクリエイティブユーザの減少を招いてしまうのではないだろうか。
まあ結局のところ卓上の空論で、実際に販売してみないとどうなるかはわからない。そして、このゲームでどれだけのユーザがクリエイティブユーザに変貌し、熱狂できる作品を作り上げてくれるのか楽しみなところだ。